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2012年02月18日

田原総一朗氏「維新八策」について語る

田原総一朗です。

大阪市長の橋下徹さんが
矢継ぎ早に新たな市政改革を
打ち出している。

橋下さんは、市長就任前から
すでに24区長の公募、
市営地下鉄の運賃引き下げと民営化、
水道事業の統合などの指示を出した。
さらに、人件費や補助金支出の
見直しにも手をつける等、
「大阪から日本を変える」
を実行しようと
しているように見える。


そんな橋下さんが、2月13日、
「維新八策」を発表した。
坂本龍馬がまとめた新国家構想
「船中八策」にちなんで命名した、
次期衆院選に向けた
大阪維新の会の政策集である。

維新八策は、橋下さんが
大阪都構想で打ち出した
政策と重なる部分が多い。

まず統治機構としての
道州制の導入である。
道州制の良い点は
各地域が競い合うことだ。
そして地方交付税は
廃止するという。

また公務員制度改革も
打ち出している。
公務員は「職業」ではなく
「身分」になっていると
橋下さんは批判した。
リストラも降職も減棒もない、
公務員という身分を改め、
一般の「職業」にすると
主張しているのである。

大阪都構想には
教育制度改革も入っている。
現在の教育委員会制度を
改革するため、
複数の仕組みのなかから
各自治体が制度を
選択できるようにした。
つまり、首長に権限を持たせようと
しているのである。

そして、もうひとつ
首相公選制を出している。
この実現のためには
憲法改正が必要である。
だから、橋下さんは
憲法改正に関連する内容も
維新八策に盛り込んだ。

しかし憲法改正については、
第9条や国民の権利と義務など
いろいろな問題がある。
首相公選制のためだけに
憲法を改正するわけには
いかないのではないか。


以前、書いたことがあるが、
僕は橋下さんが主張する、
「大阪都構想」が、
いまひとつわからない。
彼は、非常にセンスがいいし、
ファイトもある。
実行力もある。
僕は彼に期待しているのだが、
それでもわからない。

たとえば、大阪の最大の課題は
経済的な地盤沈下である。
経済が落ち込んでいるので、
大阪のモチベーションは極めて低い。
だから、橋下さんの大阪都構想は、
いかにして経済の地盤沈下を止め、
大阪経済の再興を果たすかが
第一の課題になるのではないだろうか。


この維新八策を見て思ったのが、
橋下さんが本当に
日本を変えられるのか、
変えたらよくなるのか、
やはり曖昧だということである。

日本人の多くは
長引く景気の低迷、
東日本大震災と原発事故災害に
苦しんでいる。
日本人が求めているのは、
どうすれば日本がよくなるのかである。
しかし、維新八策は
それに応えていないのではないか。


維新八策には、実現が難しいと
思われる問題が多い。
一方で、TPP交渉参加や
消費税増税については
賛成としている。
経済にからむ問題は
現実路線をとってはいる。

しかし、この現実路線のために
橋下ブームは下火になるのでは
と僕は懸念する。
先行きが不安で
イライラしている国民に
展望を示せるかどうか、
そこが勝負どころである。
もし展望を示せなければ、
「橋下さんをリーダーにしたい」
という思いは、冷めるのではないか。

長年の自民党政治に
多くの日本人が飽き飽きしていた。
それが2009年の政権交代を
生んだのである。
だが、選ばれた民主党は
国民の期待をことごとく裏切った。
しかも自民党よりも
政治が下手なことがわかった。
しかしながら、いまさら
自民党に戻る気もない。

橋下ブームは、そうした「政治」に
対する不信感と閉塞感から
出てきたのである。


橋下さんは、さまざまな
意見や批判が出ることを承知で
維新八策を明らかにしたのだろう。
これは結論ではなく、
スタートなのだ。

いま、橋下さんを
批判することは容易い。
だが、批判のための批判は
僕はしたくない。
僕は橋本さんに期待している。
だから、ただ批判するのではなく、
曖昧なところを
しっかりと聞き出していきたい。





橋下市長が発表した維新八作は理念と現実問題が整理されていない状態のものであり、すぐに実現するとか実現できないとかというものではない。
田原氏が「維新八策には、実現が難しいと思われる問題が多い。一方で、TPP交渉参加や消費税増税については賛成としている。経済にからむ問題は現実路線をとってはいる」と理解しているのは少し違うのではないだろうか。

理念、戦略、戦術の整理はこれからだ。理念、戦略をしっかりと言っておかないと、既成政党が安易な連携を仕掛けてくるはずだ。安易な連携はしないということと、しかし、維新の会は現実路線をしっかり歩むという二つの思いを表現したのが維新八作だと思う。




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Posted by ヒジャイ at 13:24│Comments(0)大阪維新
 
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