てぃーだブログ › 沖縄・日本・アジア・世界 内なる民主主義 › 高江問題 › ローレンス・ニコルソン中将の記者会見の答弁は米軍人として民主主義者として素晴らしい

2016年12月18日

ローレンス・ニコルソン中将の記者会見の答弁は米軍人として民主主義者として素晴らしい






新発売・沖縄内なる民主主義9 A5版  定価1512円(税込み)
新発売・バーデスの五日間上 A5版  定価1404円(税込み)
新発売・バーデスの五日間下 A5版  定価1296円(税込み)


新発売・沖縄内なる民主主義10 A5版  定価1512円(税込み)
新発売・あなたたち沖縄をもてあそぶなよ A5版  定価1458円(税込み)
<
本土取次店 (株)地方・小出版流通センター
http://neil.chips.jp/chihosho/ TEL.03-3260-0355 
chihosho@mxj.mesh.ne.jp
県内取次店 株式会社 沖縄教販
電話番号098-868-4170
shopping@o-kyohan.co.jp

本土取次店 (株)地方・小出版流通センター
http://neil.chips.jp/chihosho/ TEL.03-3260-0355 
chihosho@mxj.mesh.ne.jp
県内取次店 株式会社 沖縄教販
電話番号098-868-4170
shopping@o-kyohan.co.jp

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村
クリックお願いします

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ローレンス・ニコルソン中将の記者会見の答弁は米軍人として民主主義者として素晴らしい

 狼魔人日記で「あべこべな世界で逆立ちすると何が見える?」でローレンス・ニコルソン中将の記者会見を書き起こししているのを紹介している。興味深く読ませてもらった。私の感想をニコルソン中将と記者たちの答弁に沿って述べていく。

 ニコルソン中将は軍人であって政治家ではない。米国は民主主義国家である。軍隊はシビリアンコントロールされていて、軍隊の最高指揮者は大統領であり、軍人が政治的発言するのは禁じられている。しかし、ジビリアンコントロールを理解していない記者たちはニコルソン中将に政治的発言を要求する。

毎日・サトウ記者=毎日新聞のサトウと申します。今回の事故について説明がありましたけれども、今回の事故については、沖縄県民は、大変な不安と恐怖を感じていると思うのですけど、調整官のほうから謝罪の言葉はないのでしょうか。
ニコルソン中将=先ほどアゲタ副知事ともお話しましたが、遺憾には思っています。遺憾です。この事故については、当然ながら遺憾に感じております。しかし、わが若きパイロットが行った素晴らしい働きと、沖縄の人々に類が及ばないようにと行った判断については、遺憾に思っておりません。事故が起きたことは遺憾に思っておりますが、しかしこれはとても良質で、困難な訓練のためであったことを理解していただきたいと思います。勿論、事故のことは遺憾に思っております。全くもって遺憾に思っております。これで質問の回答になっているでしょうか?

サトウ記者は「沖縄県民は、大変な不安と恐怖を感じている」と県民の気持ちを決めつけた上で謝罪を要求している。ニコルソン中将は軍人である。ニコルソン中将は事故についての事実を報告し、なぜ事故が起こったか、そして、安部の海岸に不時着したかの事情を説明するために記者会見を開いたのに、いきなり県民への謝罪という政治的な質問をされたので戸惑っている。
沖縄県民が不安と恐怖を感じたかどうかは世論調査をしないと分からないことである。調査をしていないのだからニコルソン中将が判断することはできない。それに謝罪するか否かは政治判断になる。ニコルソン中将が政治判断をすることはできない。もし、謝罪をした後に米政府が謝罪をする必要がないと判断した場合は謝罪したニコルソン中将は政府と違う判断をしたことになり批判されるだろう。
謝罪するかしないかは米政府が判断することであり、ニコルソン中将が判断することでない。
ニコルソン中将は事故が起こったことは遺憾であること、しかし、パイロットの判断は遺憾に思っていないこと、そして困難な訓練が原因が事故が起こったことを説明している。軍人としての責任ある説明である。しかし、記者は政治判断を要求する。

○○記者(素性不明)=ということは,「謝罪」はしないと?
ニコルソン中将="Regret"(遺憾である)とは、どういう意味でしょうか。『遺憾である』ということは、"apology"(謝罪)を意味します。『われわれは全くもって、今回の事故を遺憾に思っております』──『遺憾』は『謝罪』なのです。よろしいですか?では次の質問を。

 しつこく謝罪を要求してくる記者にニコルソン中将は遺憾=謝罪と述べて記者の質問をかわした。

共同・スダ記者=共同通信のスダと申しますけども、昨日、普天間基地で別のオスプレイが胴体着陸、ベリーランディングしたという情報があるのですが、それは事実でしょうか?
ニコルソン中将=はい、そうですね。昨晩、別のパッド、普天間のパッドに安全着陸を試みたオスプレイがありました。通常の安全な着陸でしたが、ランディングギアに問題がありました。サンボーン将軍、何か追加することがあれば、彼女が通訳している間に…。

オスプレイはヘリコプターのように着陸できるので、車輪が出なくても安全に着陸ができる。

沖縄タイムス・ヤスダ記者=沖縄タイムスの記者のヤスダと申します。昨日の件について、日本政府やアメリカ側は『着水』とか『不時着』という言葉を使っておりますけれども、機体は大きく損傷していて、『墜落』ではないかという見方もあるのですがが、どのようにお考えでしょうか。

ヤスダ記者は機体が大きく損傷しているから『不時着』ではなく『墜落』ではないかと質問している。
不思議に思うのは記者たちは夜間給水訓練をしていた場所がどこであったかを質問していないことである。夜間給油訓練をしていた時にホースがプロペラに接触してプロペラが破損したために起こった事故である。 給油訓練が行われた場所を知るのは重要である。そして、安部海岸までどのようにして辿り着いたかを知るのも事故原因解明するのに重要である。しかし、記者はそのことを質問しない。
 
ニコルソン中将="Osprey in the water"(オスプレイの着水)についてですが、彼は海岸に近付こうとしていて…あれがcrash(墜落)だったのか、それともhard-landing(硬着陸)だったのか。それともcontrolled(制御された)…言葉に囚われすぎだと思います。ここで重要なのは、パイロットは海岸に辿り着こうとしていたということ。海岸が見えたので、居住地の上空を飛行することなく、海岸にかぎりなく近いところまで辿り着こうとした。そして浅瀬に機体を降下させた(brought the plane down)。しかも本当に浅い箇所だった。なので私は"controlled landing(制御された着陸)"であったと思う。しかし、着陸を試みたときに機体を著しく損傷した。それは確実です。
ニコルソン中将=ですから、機体のあらゆる箇所に波が激しく打ち付けたのです。 (サンボーン少将に向かって) このことについて付け加えることは?
サンボーン少将=はい、閣下。波の活動だけで機体が分解されていきました。だから、機体の周囲の安全を直ちに確保してサルベージ&レスキューを迅速に展開しようしたのです。
ニコルソン中将=したがって機体〔の損傷は〕基本的に波によって生じたものでした。機体を散り散りに分解するだけの力があったようです。勿論、強硬着陸でした。機体にとってよい着陸ではありませんでした。しかし、それでも5名が生存できる程度のものだったのです。私はそのことが重要だと思います。

ニコルソン中将の説明から、オスプレイは安部海岸から離れたところから安部海岸にやってきたことが分かる。機体の損傷はオスプレイが強行着陸したからであると説明している。アスプレイはプロペラが大きい。着水した瞬間にプロペラは海水に接触する。機体がバラバラになったのはプロペラが原因だと思われる。

○○記者=(聞き取り不能)墜落サイトは安部集落までとても近いところだったと思うのですけど、パイロットの方はその近くに集落が存在することを認識されていたのでしょうか。そこにランディングさせたことについてはいかがお考えでしょうか。
ニコルソン中将=パイロットと話しました。航空隊の司令官とも話しました。彼は、自機がどこにいるか正確に把握していました。だから彼はあの方向に向かったのです。居住地であると知っていたからです。そして、彼はその上を飛ぼうとはせずに,墜落させるという意識的な判断を行ったのだと思います。機体に問題が生じていることを把握していたからです。

 記者会見をする前にニコルソン中将は事故の経過を知るためにあらゆる情報を集めたことが分かる。

沖縄テレビ・ヨシダ記者=沖縄テレビのヨシダと申します。よろしくお願いします。いま2人が治療中ということなのですけれども、具体的な容態、意識があるのかなどについて教えていただけないでしょうか。
ニコルソン中将=ありがとう。この質問をしてくださってありがとう。とてもうれしい質問です。はい、両名とも到着時には意識があり、両名とも話すことができました。1名は明日、骨折を抱えながら〔肩を指しながら〕退院できると思いますが、もう1名のほうは若干深刻でもう少し入院を続けるでしょう。でも、訊いてくれてありがとうございます。繰り返すと、1名は明日退院できて、もう1名はあと数日ほど、あるいは一週間ほど入院が必要でしょう。

 怪我をした二人の兵士の情報も詳しく調べていた。

時事通信・○○記者=時事通信の○○と申します。普天間の基地近くに住まわれている一般市民の方々のお話を訊くと、『今回海の上に落ちているんだから、自分の家の上にも落ちるかもしれない』というような懸念を持っている地元住民の方が多くいらっしゃいます。そういう方々に対して、中将は一体どういう説明ができるのでしょうか。
ニコルソン中将=われわれが遠く沖合で訓練を行うことには理由があります。われわれがハリアーやホーネットの空対空戦闘訓練を150マイル(約230キロ)離れた、沖縄政府と日本政府が認めた指定訓練区域のある沖合で行うことには理由があるのです。われわれはそこ〔訓練区域〕でしか訓練を行いません。那覇や宜野湾市や、浦添市〔の上空〕ではやらないのです。
  オスプレイについても、同じです。エアタンカーを使った給油〔訓練〕は島の上空では行いません。タンカー給油も島の上空では行いません。給油訓練はすべて、10~30キロ沖合で行っているのです。明らかにこれは沖縄の人々の安全を考慮してのことです。かぎりなく沖合に離れて行うようにしているのです。夜間ヘリコプターの飛行する音は〔滅多に〕聴かないでしょう。では大半の間は沖縄のどこを飛行しているのか?沖合ですよ!島の周りをぐるぐると大きく周りながらね。給油訓練もその他の訓練も〔すべて〕沖合で行っているのです。
  たしかに、時にはオスプレイが離着陸ゾーンに飛来することがあります。しかしそれは、その訓練が必要だからです。出動がかかった時に即時に対応するためには、あらゆる技術を完全に身に付けておく必要があるからです。

 オスプレイの夜間給油訓練は10~30キロの沖合でやっていることがここで明らかになった。それは記者が質問したからではなく、記者が『今回海の上に落ちているんだから、自分の家の上にも落ちるかもしれない』という不安が地元住民にあり、それにどう答えるかと質問したからである。
 恐らく記者たちは夜間給油訓練をどこでやっているかを知っていただろう。しかし、その質問を避けた。最初に訓練場所を質問して10~30キロの沖合でやっていたことが明らかになれば、記者会見は次のように展開していくことになるだろう。

10キロ以上も離れた沖合から安部海岸に辿り着いたのはオスプレイの操縦ができた。操縦ができるなら普天間飛行場に帰還するのも可能であった。しかし、操縦士は安部海岸に向かった。その質問を記者はしなければならない。
 普天間飛行場の周囲は住宅街である。プロペラが欠損しているオスプレイが普天間飛行場に着陸するのは住民に危険を及ぼすかもしれない。操縦士はそのように判断をして、普天間飛行場に向かうのを止めて、辺野古に向かった。しかし、辺野古よりも安部崎のほうが人家から離れていたので安部崎の海岸に強行着陸した。
 
 このように記者会見が展開すると、米軍が県民の安全を最優先していること、操縦ができたから安部崎の海岸に着陸したこと、墜落ではなく強行着陸であったこと、住宅の近くに墜落する可能性はなかったことが記者会見ではっきりしてしまう。記者たちはそのような展開を避けるために夜間給油訓練場所を聞かなかった可能性が高い。

琉球新報・ナガミネ記者=琉球新報のナガミネといます。 
今回、事故現場ですべて …(以下聴き取り不能)
ニコルソン中将=海上保安庁や警察がいてくれなければ、捜査はできません。彼らがいなくては現場の確保もできません。多くの様々なことができません。サルベージ活動を行うために、大変心強い支援をくださっています。だから、彼らは〔われわれの活動にとって〕大変に大事な一部です。不可欠といえます。彼らがいなければ、何もできません。とくに、基地内ではないからです。そう、基地内ではないのです。ですから彼らの支援がなければ、大変なことになっているでしょう。効果的な捜査を行うことができなくなっていると思います。
ニコルソン中将=では、ここで締めくくりたいと思います。紳士淑女の皆さん、まずは来てくださってありがとうございます。

記者たちが固執しているのは事故現場で起こったことである。夜間給油訓練でなぜプロペラ破損事故が起こったか、事故に対して米軍はどのような対処をしたのかについては関心がない。関心がないというより質問を避けている。

  (誰かを指さして)難しい質問をされました。「謝罪はないのかと」と。
Do I apologize?
謝罪はないのか?
I do apologize.
謝罪はあります。

この事件によってオスプレイに対する信用や信頼を失ってしまうかもしれない沖縄の人々に謝罪します。そして、そうならないことを願います。オスプレイが墜落した("went down")のが、機体システム上の不具合ではなく、給油ホースの直撃を受けてのものだという説明で理解いただけることを願います。

  私が謝罪しないのは次のことについてです。

われわれが沖合で毎夜訓練を行っていることについては、謝罪はしません。
わが海兵隊員たち、水兵たち、陸兵たち、航空兵たちが、この同盟を衛るために何時間もの時間を費やしていることについては、謝罪はしません。
わが海兵隊員たち、水兵たち、陸兵たち、航空兵たちが、日本を衛るために、家を離れて時間を過ごし、〔日本に〕配備されていることについては、謝罪はしません。
われわれは日本政府とともに汗水を流しながら〔国防に〕取り組んでいます。そのことについて謝罪することはありません。その取組みは重要だからです。

ですから、訓練については謝罪はしません。また常に即応体制を整えていることについても、謝罪はしません。

But we’re grateful.
しかし謝意は示します。

われわれは、素晴らしいパートナーたちに感謝しています。日本の陸上自衛隊、日本の航空自衛隊、そして日本の海上自衛隊。この同盟のための毎日ともに防衛に取り組む彼らパートナーたちに感謝しています。
沖縄の多くの方々に、オスプレイの、沖縄におけるその四年間の良好な実績をみて、オスプレイがこの同盟関係を衛る上で、いかに希少で重要であるかを理解いただければと思います。
そして夜間の訓練には、それが良い天候であれ悪天候であれ、リスクと危険が伴い、それでも訓練は必要であり、訓練は日米両国にとって重要であることを理解し、  
共感していただければと思います。
そして、最悪の事態が大惨事に至ることを防いだわがフライト・クルーたちをとても誇りに思うということにも、共感し、ともに誇りに思っていただければと思います。
今日おいでくださった皆さんひとりひとりにあらためて感謝申し上げたいと思います。
皆さんがよい休暇を過ごされるよう願っております。
われわれはこの事故を遺憾に思っています。まことに、この事故は遺憾であると思っています。しかし、この部屋にいる皆さんはもう、訓練がいかに重要であるか、わかっていただけたかと思います。

Thank you.
Arigato gozaimasu.
ありがとうございました。
アリガトウゴザイマス。

 ニコルソン中将は最後に、謝罪すること、謝罪しないこと、感謝することを明確に述べている。
 米国は議会制民主主義国家である。軍隊はシビリアンコントロールされているし、軍人ニコルソン中将もまた民主主義者である。
 ニコルソン中将の記者会見の答弁は米軍人として民主主義者として素晴らしい。


同じカテゴリー(高江問題)の記事

Posted by ヒジャイ at 13:17│Comments(0)高江問題
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。