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2022年03月05日

ウクライナの命をかけた民主主義の戦いを理解していない橋下徹氏に反論する

ウクライナの命をかけた民主主義の戦いを理解していない橋下徹氏に反論する

ウクライナ出身の国際政治学者、グレンコ・アンドリー氏と橋下徹氏がテレビ討論した。グレンコ氏がウクライナとロシア間に妥協点を作るのは難しく、戦況が有利かが結果に直結するため、国際社会の協力や支援が欠かせないとの見解を示した。これに対し橋下氏は「その間にどれだけのウクライナの人たちが命を失うのか」と反論した。戦い続けると被害が甚大になるというのである。そして、プーチン大統領が高齢で長くは指導者として君臨しないとの見方を示し、積極的に国外退去を進めるべきだと主張した。橋下氏の国外退去にはあきれる。
橋下氏はウクライナの人口を知っているのだろうか。人口は4400万人である。橋下氏は4400万人の国外脱出を主張しているのである。そんなことができるはずがない。ニュースでは100万人が国外脱出したとあたかも大量のウクライナ人が脱出したように見えるが440000万人から見ればたった100万人である。橋下氏はウクライナの人口を考えることなく国外脱出を主張したのである。橋下氏はウクライナへのロシア軍侵略に対してウクライナ人の命を守るか否かの問題にしている。命を守るために国外脱出を橋下氏は主張しているのだ。ところが現実問題として4400万人の国外脱出は不可能である。4分の1の1000万人でも不可能だと思う。命の問題としていながら命を守るための実現不可能な国外脱出を主張する橋下氏は無責任である。国外脱出を主張するなら4400万人の国外脱出を実現する方法も提示するべきである。提示することはできるはずがない。橋下氏の国外脱出論は茶番である。

ロシアはプーチン独裁国家である。ウクライナはNATOへの加盟を目指している民主主義国家である。ウクライナ戦争は独裁国家ロシアがウクライナを支配するために侵略している戦争である。ロシア軍が勝てばウクライナは独裁支配されて民主主義は崩壊してしまう。ウクライナ国民は国というより国民の自由と民主主義を守るために戦っている。
ウクライナが独裁国家であったなら
ウクライナが独裁国家であったなら国民はロシア軍との戦いに立ち上がらなかっただろう。ロシア軍とウクライナ軍の戦争になりロシア軍が短期間で勝っていた。ロシア軍が勝てばウクライナの独裁者は処分され、ウクライナはロシアの独裁支配下に置かれる。ウクライナ国民はウクライナ独裁からロシア独裁に代わっただけであり同じ独裁国家の下の生活であるからあまり変わらない。
戦国時代は戦国武将たちが領地拡大を狙って戦争を繰り返した。農民にとってどの武将が支配しても同じように搾取されるだけで生活は同じだった。農民が戦争に関わることはなかった。豊臣秀吉が刀狩りをしたのは農民が戦争に関わることを止めさせて、農業だけをさせるためであった。
ウクライナが独裁国家だったら国民はロシア軍との戦争に立ち上がることはなかった。国民が立ち上がったのはウクライナが民主主義国家だからである。
ウクライナが独裁国家でロシアが民主主義国家だったなら
現在のウクライナ国民のように自由と民主主義精神の強いことを前提にした上で、ウクライナが独裁国家であり、ロシアが民主主義国家であると仮定する。ロシア軍がウクライナを民主主義国家にするために侵攻してきた時に国民はウクライナ軍ではなくてロシア軍と一緒になってウクライナ軍と戦うだろう。ウクライナを民主主義国家にするために。その時のロシア軍はウクライナ解放軍になる。
米軍は2001年にアフガニスタンに侵攻して、同国のターリバーン政権を崩壊させて、民主主義国家を樹立したが20年後に米軍が引き上げると米国がつくり上げた民主主義国家はタリバン敗北してあっけなく崩壊した。米国の20年かけた民主主義国家つくりは失敗したのである。失敗した根本的な原因はアフガンには民主主義を樹立できる内なる民主主義が存在しなかったからである。アフガンには内なるイスラム教が民主主義より圧倒的に強い。だから民主主義国家は崩壊した。内なる民主主義がなければ形式的に民主主義国家をつくっても崩壊することをアフガンが実証したのである。
ウクライナはアフガンと違う。内なる民主主義が強い。ウクライナは民主主義国家になる国である。
ウクライナは民主主義国家であり、ロシアは独裁だからウクライナ国民は立ち上がりロシア軍と戦っている
ロシア軍との戦いはウクライナの自由と民主主義を守るためである。だから、多くの国民が銃を持ちロシア軍と戦うのである。銃を持たない市民もロシア軍の前に立ちはだかり戦っている。

橋下氏は殺し合いの戦争としか見ていない。だから、ウクライナ出身の国際政治学者、グレンコ・アンドリー氏が「国際社会の協力や支援が欠かせない」とウクライナへの援助をもとめたことに対し、橋本氏は「その間にどれだけのウクライナの人たちが命を失うのか」と非難したのである。橋下氏は被害が甚大になることだけを重視している。ウクライナ国民が戦う理由である自由、民主主義は念頭にない。ウクライナの戦争を単なる戦争に矮小化している橋下氏は、
「祖国防衛。そこで命を落とす、それしかないんだって」
と主張した。ひどいね。ウクライナの自由と民主主義を守る戦いが単純な祖国防衛にしている。平和な日本にどっぷりつかって、どっぷりつかっていることの自覚がないままウクライナを傍観しているからそんなことが言えるのだ。アンドリー氏も駄目だ。橋下氏の主張に、
「もしここで降伏して、ロシアに全土を占領されたら結局犠牲者が増えるだけ」と反論した。犠牲者とは死者のことである。アンドリー氏は「20年後、ウクライナ人残りますか、という話です。ロシアの支配を受けて」と橋下氏と言い争ったという。戦争が終われば死者は減る。20年後もウクライナ人が残るのは確実だ。ウクライナ人の生死を問題にするなら橋下氏の主張が正しい。
 降伏してロシアに占領されてもウクライナ人は生き残る。しかし、ウクライナの自由、民主主義は死ぬ。アンドリー氏は確固とした民主主義思想がない。まあ、所詮は知識人階級の学者であるドリー氏には命を懸けてロシア軍と戦う人たちの精神を理解し認識することはできないだろう。
橋下氏とアンドリー氏には「内なる民主主義」がない。志願してウクライナ軍に入隊する国民は「内なる民主主義」が強くある。彼らは祖国防衛のために戦うのではない。ウクライナの自由と民主主義を守るために戦うのだ。ロシア軍と戦うウクライナ国民の内なる民主主義を橋下氏は理解していない。そのことを視聴者が批判する。

ネット上で、
「じゃあ一体誰が国を護る」
「生き残っても国が無くなったら意味ないと思ってるから皆必死になってる」
「ウクライナ出身の人に対してよくこんな的外れなこと言えるな」
と手厳しい意見が散見された。
橋下氏は、
「プーチン大統領が高齢で長くは指導者として君臨しないとの見方を示し、積極的に国外退去を進めるべきだ」と主張した。ロシアは法治国家である。プーチン氏が死んでもプーチン氏がつくり上げた体制、ウクライナに対する政策は引き継がれる。ネットで、
「プーチンが死んでも思想を継いだ次の指導者が出たら同じ」
と橋下氏を批判している。彼の指摘は正しい。




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