てぃーだブログ › 沖縄・日本・アジア・世界 内なる民主主義 › 日本TPP対米国FTA対中国一帯一路 › TPPに英国参加表明が意味すること

2018年07月23日

TPPに英国参加表明が意味すること



沖縄内なる民主主義16新発売中
 

本土取次店 (株)地方・小出版流通センター
http://neil.chips.jp/chihosho/ TEL.03-3260-0355 
chihosho@mxj.mesh.ne.jp
県内取次店 株式会社 沖縄教販
電話番号098-868-4170
shopping@o-kyohan.co.jp

本土取次店 (株)地方・小出版流通センター
http://neil.chips.jp/chihosho/ TEL.03-3260-0355 
chihosho@mxj.mesh.ne.jp
県内取次店 株式会社 沖縄教販
電話番号098-868-4170
shopping@o-kyohan.co.jp

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村
クリックお願いします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
TPPに英国参加表明が意味すること
 英国がTPP参加を表明した。英国のフォックス国際貿易相はロンドン市内で講演し、英国が欧州連合(EU)を離脱した後に環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加を目指す意向を表明した。
 メイ首相はこれまで離脱後にEU以外の第三国との自由貿易協定(FTA)を締結する方針を示しているがTPPは一国帯一国の交渉で決めるFTAではない。TPPは貿易だけでなく投資や知的財産など多くの協定がすでに決まっていて加盟をすればTPPルールを守らなければならない。TPPの性質はFTAではなくEUに近いものである。FTAは相手国との貿易について自由に交渉できるがTPPはできない。EUを離脱するイギリスがTPPに参加するというのは矛盾している。
 なぜ、EUを離脱する英国がTPPに参加しようとしているのか。それはEUとTPPは協定の性質が違うからである。
EUはEuropean Unionの略称であり、欧州連合のことである。
2013年7月にクロアチアが加盟したことにより以下の28か国が欧州連合に加わっている。
IMFによると、2010年の欧州連合のGDPは16兆1068億ドル(約1300兆円)である。アメリカのGDPをやや上回っており、世界全体の約26%を占めている。
欧州連合には最高意思決定機関がある。全加盟国の政府の長と欧州委員会委員長、及び大統領にも相当するとされる常任議長による欧州理事会である。
欧州連合の市場はされている。外交・安全保障分野と司法・内務分野での枠組みが新たに設けられ、ユーロの導入によって通貨も統合されている。
欧州議会の直接選挙が実施されたり、欧州連合基本権憲章が採択されている。
EUは政治連合体である。
第二次大戦後に急激に社会主義国家圏が拡大していった。ヨーロッパの社会主義圏の拡大を防ぐためEUは資本主義経済圏の民主主義国家の連合を結成したのである。

1991年にソ連は崩壊し、強大な社会主義国家圏は消滅した。EUを強固しなければならない社会主義圏が消滅したために国家間の矛盾が表面化していった。
政治は本質的にローカルであるグローバルではない。国によって生活や経済の程度に差がある。GDPに差があるし国家予算にも差がある。どうしても政治的な対立は生じる。ソ連が存在していた時は対立を我慢していたが、ソ連が崩壊すると対立にが表面化していった。対立を調整するのがEUの課題となっていき、英国はEUを離脱した。

政治はローカルであり経済はグローバルである。EUはローカルの政治をグローバル化していった連合である。ソ連が崩壊してローカルをグローバル化したために生じた矛盾が深くなっていって英国はEUを離脱したのである。
英国のEU離脱と米国のトランプ大統領のアメリカファーストをきっかけに、アメリカやイギリスだけでなくヨーロッパの多くの国々で反グローバル化の動きが広がっているとマスコミや評論家が指摘した。
政治はローカル=反グローバルであり、経済はグローバルである。政治と経済は密接に関係しているが、二つの本質的な性質の違いを区別しなければならない。区別しないから反グローバルを安易に使うのだ。
格差や貧困が原因で国外に出た難民を受け入れるかどうかを決断するのは政治である。難民を受け入れるか否かを決めるのはそれぞれの国の経済力や国民性が左右する。それは政治である。ローカルである。

戦後の急激なソ連の社会主義圏の拡大に恐れたヨロッパの資本主義国家が社会主義圏から守るために結束したEUであったから政治的な結束が強かった。しかし、ソ連崩壊によって政治的な結束によるひずみを問題にするようになった。
ひずみを重視した英国はEU離脱を国民投票で決めたのである。

EUがソ連圏に対抗した政治優先の連合であるのに対して、TPP11は経済優先の連合である。それがEUとTPPの違いである。
EUはソ連が存在しなければ結成しなかっただろう。
EUは社会主義国家と対峙した連合であったから社会主義国家は参加できない。しかし、TPP11は違う。TPP11は社会主義国家であるベトナムが参加している。このことからもEUとTPP11が性質の違う協定であることが分かる。TPP11は政治ではなく経済を中心とした協定だからである。

EUから離脱した英国がTPP11に参加するのはTPP11がEUのような政治協定ではなく経済協定だからである。
TPP11は政治的にはそれぞれの国が独立している。EUで問題になっている難民受け入れはそれぞれの国が自由に決めるのであってTPP11の問題にはならない。

TPP11は人類史上初めての新しいタイプの協定である

TPP11は人類史上初めての新しい協定である。誇大した表現と思うだろうがそうではない。
EUも国際連合も政治を中心とした連合である。経済も問題にするが優先しているのは政治である。それに比べてTPP11は経済を中心にした連合である。過去にあってもよさそうであるが、TPPのような協定はなかった。世界は第二次世界大戦までは戦争の連続であり、帝国主義の世界だった。戦後は議会制民主主義国家圏と社会主義国家圏の対立が続いた。政治対立の歴史であった。

ソ連が崩壊し、独裁国家も減り、議会制民主主義国家が増えていった。政治対立、戦争が少なくなったアジア、環太平洋地域だからこそTPP11が誕生したのである。

英国がTPP参加を表明したが、TPPの正式名称は、環太平洋パートナーシップである。名称からすれば環太平洋の国ではない英国は参加できないことになる。しかし、英政府はTPPの参加条件に地理的な制約がないことを確認している。それに日本の茂木敏充経済再生担当相も、英国の参加が可能との見解を示している。経済は政治と違い本質的にグローバルである。TPPには世界のど子からでも参加できるのだ。

参加に意欲を示す国は英国以外にも6カ国・地域があり、その中でもタイとコロンビアは協定発効直後にも参加の意思を正式に通知してくる可能性がある。
「後から加盟したい国が次々と手を挙げるような貿易枠組みは世界初だ」
とある政府関係者は述べたというが、それがTPPなのだ。

 TPP11実現をリードしてきたのが安倍政権である。経済政策を重視する安倍晋三首相は「保護主義からは何も生まれない」として、自由貿易体制の維持に取り組んでいる。それがTPP11の実現であり、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の署名である。

安倍首相は東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の年内大筋合意の方向性も打ち出している、
東アジア地域包括的経済連携は、東南アジア諸国連合加盟10ヶ国に、日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドの6ヶ国を含めた計16ヶ国でFTAを進める構想である。RCEPには中国も参加している。中国にTPPの知的財産権保護など幅広い分野のルールを認めさせるかが鍵となるだろう。


同じカテゴリー(日本TPP対米国FTA対中国一帯一路)の記事

 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。