2020年03月16日
イタリア感染拡大を助長した愚かな日本医療ガバナンス研究所理事長
イタリア感染拡大を助長した愚かな日本医療ガバナンス研究所理事長
イタリアがコロナウィルス感染が急増したのには驚いた。異常な増え方である。イタリアは中国の一帯一路に加入し、30万人以上の中国人が移住していてイタリアで工場や店を運営している。観光客も600万人に達している。だから、コロナウイルス感染者が出てくるのは当然であると思っていたがそれにしても増え方が異常である。ニュースではイタリアの致死率が突出して高いことを問題にし、イタリアの緊縮財政のあおりを受けて医療体制が不備であることを指摘していた。そして、医療体制の不備が感染拡大にも拍車を掛けたと指摘している。しかし、医療体制の不備は死者率を高める理由にはなるが感染拡大の理由になるはずがない。検査をして感染者だと分かれば隔離される。感染が判明した感染者から新たな感染者が出ることはない。だから医療不備が感染拡大の理由にはならない。
なぜ、イタリアで感染者が急増したのか。中国人が増えただけでなく別の原因があるのではないかと思っている時にブログ「老魔人日記」に「新型肺炎174人の集団感染「クルーズ船3700人隔離は正しかったのか」 医師の見解は?」という評論が紹介されていた。書いたのは上昌広という医療ガバナンス研究所理事長であった。上氏はクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号で船客をクルーズ船に閉じ込めたことを東日本大震災以降、福島県浜通りで診療を続け、地元住民の定期的な健康診断をサポートしている専門医としての立場から徹底して批判している。説得力のある批判であったが、上氏が日本とイタリアの対応の違いを述べた時にイタリアで感染者が急増した理由の一つが分かった。
上昌広氏の文章である。
今回の新型コロナウイルスの流行においては、地中海のクルーズ船「コスタ・スメラルダ」(総トン数18万5,010トン)で、乗客に発症が確認され6,000人強の乗客乗員が一時足止めされるという事件が発生している。
イタリア政府の対応は日本とは全く違った。2名の感染者について処置をした後、12時間で乗客は解放された。
なぜ、イタリアと日本はこんなに違うのだろう。私は経験の差だと思う。
検疫を意味するquarantineは、イタリア語のヴェネツィア方言quarantenaおよびquaranta giorni (40日間の意)を語源とする。
1347年の黒死病(ペスト)大流行以来、疫病がオリエントから来た船より広がることに気づいたヴェネツィア共和国が、船内に感染者がいないことを確認するため、疫病の潜伏期間に等しい40日間、疑わしい船をヴェネツィアやラグーサ港外に強制的に停泊させたことに始まるらしい。
クルーズ船は、英船舶会社P&Oが1844年にサウサンプトン発着の地中海クルーズを開始したのに始まる。大手海運会社の閑散期の経営対策として、19世紀から20世紀にかけて発達した。
アガサ・クリスティーの『海上の悲劇』は地中海クルーズ船を舞台とし、名探偵ポワロが殺人事件を解決する。
かくの如く、クルーズ船は西欧で発達した文化だ。これまでにも麻疹、レジオネラ菌、赤痢、髄膜炎菌、さらにノロウイルスなどの集団感染を繰り返し経験し、試行錯誤を繰り返してきた。特にイタリアからは複数の医学論文が発表されている。経験の蓄積において日本とは彼我の差がある。
「新型肺炎174人の集団感染「クルーズ船3700人隔離は正しかったのか」 医師の見解は?」
「経験に乏しい日本は、従来と同じ方法で検疫を強行してしまった。その結果が、歴史に残る集団船内感染だ。一方、イタリアは柔軟に対応し、旅行客の健康を守った。2月12日現在、イタリアでの新型コロナウイルスの流行は確認されていない」と述べた上昌広氏はクルーズ船に閉じ込めた日本政府を批判し、12時間後に乗客全員を下船させたイタリア政府を支持しているのである。
上昌広氏の「新型肺炎174人の・・・・」を読んでイタリアでコロナウイルスの感染が急激に広まった原因を知った。イタリア政府はクルーズ船の潜在感染者を下船させて国内に放ったのである。上氏は「イタリアでの新型コロナウイルスの流行は確認されていない」と述べているが実はこの時には急激な感染拡大が迫っていたのだ。上氏のクルーズ船の早めの乗客解放は感染拡大を助長するものであったのだ。クルーズ船の乗客は2週間以上隔離しなければならなかったのだ。隔離を自衛隊基地などの国内にするかクルーズ船内にするかの問題であってイタリアのように12時間で下船させるのは絶対にやるべきではなかった。しかし、上氏は船内隔離より下船を主張したのである。
クルーズ船内で検疫をやった人たちも感染したのには驚いた。彼らは感染しないための完全な防御をしていたはずである。それでも感染したのがコロナウイルスである。それほどまでにコロナウイルスの感染力はすごかった。そのことを上氏は知っていた。知っていたにも関わらずイタリアの12時間開放を支持したのである。彼の考えが日本で実行されていたら、日本のコロナウイルス感染者は何十倍も増えていたはずである。
中国移民、旅行者が多くなったこと、潜在感染者を放置したこと、そして、医療体制の不備が重なってイタリアでコロナウイルス感染が増大したと思う。
イタリアがコロナウィルス感染が急増したのには驚いた。異常な増え方である。イタリアは中国の一帯一路に加入し、30万人以上の中国人が移住していてイタリアで工場や店を運営している。観光客も600万人に達している。だから、コロナウイルス感染者が出てくるのは当然であると思っていたがそれにしても増え方が異常である。ニュースではイタリアの致死率が突出して高いことを問題にし、イタリアの緊縮財政のあおりを受けて医療体制が不備であることを指摘していた。そして、医療体制の不備が感染拡大にも拍車を掛けたと指摘している。しかし、医療体制の不備は死者率を高める理由にはなるが感染拡大の理由になるはずがない。検査をして感染者だと分かれば隔離される。感染が判明した感染者から新たな感染者が出ることはない。だから医療不備が感染拡大の理由にはならない。
なぜ、イタリアで感染者が急増したのか。中国人が増えただけでなく別の原因があるのではないかと思っている時にブログ「老魔人日記」に「新型肺炎174人の集団感染「クルーズ船3700人隔離は正しかったのか」 医師の見解は?」という評論が紹介されていた。書いたのは上昌広という医療ガバナンス研究所理事長であった。上氏はクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号で船客をクルーズ船に閉じ込めたことを東日本大震災以降、福島県浜通りで診療を続け、地元住民の定期的な健康診断をサポートしている専門医としての立場から徹底して批判している。説得力のある批判であったが、上氏が日本とイタリアの対応の違いを述べた時にイタリアで感染者が急増した理由の一つが分かった。
上昌広氏の文章である。
今回の新型コロナウイルスの流行においては、地中海のクルーズ船「コスタ・スメラルダ」(総トン数18万5,010トン)で、乗客に発症が確認され6,000人強の乗客乗員が一時足止めされるという事件が発生している。
イタリア政府の対応は日本とは全く違った。2名の感染者について処置をした後、12時間で乗客は解放された。
なぜ、イタリアと日本はこんなに違うのだろう。私は経験の差だと思う。
検疫を意味するquarantineは、イタリア語のヴェネツィア方言quarantenaおよびquaranta giorni (40日間の意)を語源とする。
1347年の黒死病(ペスト)大流行以来、疫病がオリエントから来た船より広がることに気づいたヴェネツィア共和国が、船内に感染者がいないことを確認するため、疫病の潜伏期間に等しい40日間、疑わしい船をヴェネツィアやラグーサ港外に強制的に停泊させたことに始まるらしい。
クルーズ船は、英船舶会社P&Oが1844年にサウサンプトン発着の地中海クルーズを開始したのに始まる。大手海運会社の閑散期の経営対策として、19世紀から20世紀にかけて発達した。
アガサ・クリスティーの『海上の悲劇』は地中海クルーズ船を舞台とし、名探偵ポワロが殺人事件を解決する。
かくの如く、クルーズ船は西欧で発達した文化だ。これまでにも麻疹、レジオネラ菌、赤痢、髄膜炎菌、さらにノロウイルスなどの集団感染を繰り返し経験し、試行錯誤を繰り返してきた。特にイタリアからは複数の医学論文が発表されている。経験の蓄積において日本とは彼我の差がある。
「新型肺炎174人の集団感染「クルーズ船3700人隔離は正しかったのか」 医師の見解は?」
「経験に乏しい日本は、従来と同じ方法で検疫を強行してしまった。その結果が、歴史に残る集団船内感染だ。一方、イタリアは柔軟に対応し、旅行客の健康を守った。2月12日現在、イタリアでの新型コロナウイルスの流行は確認されていない」と述べた上昌広氏はクルーズ船に閉じ込めた日本政府を批判し、12時間後に乗客全員を下船させたイタリア政府を支持しているのである。
上昌広氏の「新型肺炎174人の・・・・」を読んでイタリアでコロナウイルスの感染が急激に広まった原因を知った。イタリア政府はクルーズ船の潜在感染者を下船させて国内に放ったのである。上氏は「イタリアでの新型コロナウイルスの流行は確認されていない」と述べているが実はこの時には急激な感染拡大が迫っていたのだ。上氏のクルーズ船の早めの乗客解放は感染拡大を助長するものであったのだ。クルーズ船の乗客は2週間以上隔離しなければならなかったのだ。隔離を自衛隊基地などの国内にするかクルーズ船内にするかの問題であってイタリアのように12時間で下船させるのは絶対にやるべきではなかった。しかし、上氏は船内隔離より下船を主張したのである。
クルーズ船内で検疫をやった人たちも感染したのには驚いた。彼らは感染しないための完全な防御をしていたはずである。それでも感染したのがコロナウイルスである。それほどまでにコロナウイルスの感染力はすごかった。そのことを上氏は知っていた。知っていたにも関わらずイタリアの12時間開放を支持したのである。彼の考えが日本で実行されていたら、日本のコロナウイルス感染者は何十倍も増えていたはずである。
中国移民、旅行者が多くなったこと、潜在感染者を放置したこと、そして、医療体制の不備が重なってイタリアでコロナウイルス感染が増大したと思う。
Posted by ヒジャイ at 14:05│Comments(0)
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