沖縄・日本・アジア・世界　内なる民主主義

ＴＰＰがトランプの野望を打ち砕く

「中国には６７％のところを３４％に割引された相互関税を請求するつもりだ。欧州連合（ＥＵ）は２０％、ベトナム４６％、日本は２４％・・・・」

　米国のトランプ大統領の高関税旋風が吹き荒れている。厳しい状況の中で日本政府は米政府と交渉を始めた。
　石破茂首相は「協定にどのように抵触するのか、深刻な懸念は有している」と語った。そのうえで「何がもっとも国益に資するか、世界に対して役割を果たすことができるか考える」と述べた。　石破首相の発言に対して立憲民主党の野田佳彦代代表は環太平洋経済連携協定（ＴＰＰ）や東アジアの地域的な包括的経済連携（ＲＣＥＰ）を拡充した広域経済圏を構想すべきだと主張した。
野田氏の提案こそが日本が進むべきみーちである。

　ＴＰＰはトランプ大統領が参加しないと宣言したために成立しない状況になった。その時に米国抜きにＴＰＰ成立に積極的に動いたのが日本の安倍晋三首相である。安倍首相の努力が実り、ＴＰＰは米国抜きの１１カ国で結成しすることができた。自民党の安倍首相の時に成立させたのがＴＰＰである。そのＴＰＰの拡充を野党である野田氏が提案したのである。以前の野党であったらありえないことである。野党も保守勢力になり、自民党とのイデオロギー的な対立はなくなった。保守であるからＴＰＰの拡充でトランプの高関税に対抗することを提案したのである。

　トランプ大統領が抜けたＴＰＰを安倍首相や１１の国々が結集して結成したＴＰＰがトランプ大統領の仕掛けた高関税攻撃に反撃するのだ。

　　ＴＰＰ参加国
オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナム、 イギリス。

ＴＰＰはアジア太平洋地域における経済連携を深め、自由貿易を促進、発展させるのが目的である。

・農産品や工業品の関税を削減・撤廃することで、貿易の自由化を図る。
・サービスの自由化を促進し、貿易の活発化を図る。
・投資の自由化を促進し、企業活動の活発化を図る。
・知的財産権の保護を強化し、貿易の円滑化を図る。
・電子商取引のルールを定め、貿易の円滑化を図る。
・幅広い分野でルールを定め、21世紀型の経済連携協定を構築する。

　トランプはカナダとメキシコに２５％の高関税を課した。しかし、両国はトランプの高関税にひるむことはなかった。正面から堂々と対峙する姿勢を見せた。マスメディアは事実を報道するだけで、なぜ両国がトランプにたじろがないで堂々としている原因を説明しない。いや、できない。
　両国が堂々とトランプの高関税攻撃に堂々と立ち向かっているのは新たにイギリスが参加して１２カ国になったＴＰＰが存在するからである。
　
　トランプ大統領によって潰されたＴＰＰの結成であったが、１１カ国の執念によって結成することができたＴＰＰである。そのＴＰＰがトランプの野望を打ち砕く。