2017年01月29日

安慶田副知事辞任の真実






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安慶田副知事辞任の真実

 安慶田副知事が辞任した。安慶田副知事は翁長知事が那覇市長時代から長い間翁長知事の右腕としてコンビを組んできた存在であり、翁長知事にとってはなくてはならない存在である。二人のコンビは那覇市長時代から続いていて、二人をよく知っている政治家の話によると翁長市長の公にできないような裏の仕事をやってきたのが安慶田副知事であったという。
 翁長知事が思い通りに動かすことができたのが唯一安慶田副知事であった。彼を失った翁長知事は裸の王様である。

 安慶田副知事を辞任に追いやったのが教育庁の幹部による新聞社への告発であった。告発は安慶田光男副知事が教員採用試験で特定の受験生を合格させるよう働き掛けたことや、幹部人事へ複数の人物の登用を依頼した事実があったということである。

教員採用試験介入についての報道
・(2015年の)1次試験の後に3~4人分の氏名と受験番号が記された紙を安慶田副知事から渡された。
・その紙はすぐに捨てた・
・安慶田副知事の要求を受けたが、試験結果を触れば大変なことになるのでそのようなことはできないと受け止めた。
・数人で協議し、応じない方針を確認した。
・応じなかったことの報告はしなかったが、試験結果が出て、結果的に伝わった。その後、副知事室に少なくとも1人が呼ばれたらしいが、誰かは不明。
 
教育庁幹部人事以来についての報道
・2015年の末に、特定の人を教育庁内の幹部に据えてほしいという依頼が副知事からあった。
・関係者で緊急会議を開いたが、庁内人事は教育庁の権限であり、副知事の権限ではないから断ろうと決めた。
・応じない考えが副知事に伝えられたが「教育庁幹部に電話があった。
・副知事が就任してすぐのころと、その翌年にも副知事から要望があった。少なくとも15年1月ごろ、会議を開いた。登用依頼は合計で3度あった。
・依頼は複数の名前が挙がっていた。

 報道から推察すると沖縄紙に告発した人物は最低でも二人居る。告発は計画的であり、安慶田副知事下ろしが目的であることはその後の展開を見れば分かる。
翁長知事と安慶田副知事は教員採用試験・人事介入疑惑についての報道の内容を否定した。マスコミのインタビューに安慶田副知事は「口利きの事実はない」と何度も言った。
 そして、翁長知事も「副知事から確認したところ働き掛けの事実はないと聞いている」と述べ、疑惑の事実はないとの判断を示した。そして、「県民にも心配を掛けていることは大変残念なこと。県民の理解を得るにはどうしたらいいか考えている」と、疑惑の解消を模索していることを述べた。会見に同席した平敷昭人教育長も、「統括監が18と19日に前教育長と前の統括監2人、前の参事2人の計5人に電話で確認したところ、働き掛けの事実はないとの返事をもらった」と述べ前教育長らから聴取の結果「働き掛けの事実はない」と結論付けたと発表した。
 20日の時点では、翁長知事らの説明で疑惑に関する騒動は“幕引き”となり、口利き問題は県議会に移り、自民党の疑惑追及が展開されると予想されてていたが、わずか3日後に安慶田副知事は辞任した。予想外の出来事であった。タイムスは、
「2月中旬から2017年度の一般会計予算案などを提案する県議会2月定例会が始まる。野党の自民党は安慶田副知事の疑惑に関し、徹底追及する構えを示している」
と県議会の場に移るとだろうと報道していた。。安慶田副知事が辞任するとは誰も予想していなかっただろう。
 ところが安慶田副知事は21日には辞職する決心をしていた。
翁長知事は、21日夕に安慶田副知事から弁護士を通し、副知事の職を辞したいという旨の報告を受けていた。そして、翌22日には本人と直接会った。そして、23日に安慶田副知事の辞職を発表した。
安慶名知事と話した翁長知事は辞職を引き留めようとしなかったようである。恐らく安慶名副知事の説明に納得したのだろう。翁長知事は。
「多くの県民に不安を与え、誤解を抱かせたことは重大である。県政運営に混乱を招き、大変責任を感じている」
という安慶名副知事からの説明があったことを述べ、県政をこれ以上混乱させないために辞任したように説明したが、それが本当の理由ではないだろう。
 安慶名副知事は新聞に告発をしたのが誰であるかを調べたはずである。そして犯人を知った。そして、すぐに対策を考えた。
「依頼はしなかった」と言い張って副知事の座に留まることができる相手なのか、それとも副知事に留まることを断念しなければならない相手なのかを安慶田知事は知ったはずである。その結果、辞任を選択した。
 翁長知事が安慶田副知事の辞任を発表した翌日に沖縄県教育庁は会見を開き、教員採用試験で特定の受験者を合格させるよう、副知事から口利きがあったとする疑惑について当時の幹部から、疑惑は事実だとする文書が寄せられたことを発表した。 
平敷昭人沖縄県教育長は、「前副知事からの働きかけがあったと考えざるを得ないとの結論に至りました」と述べた。
 文書を送ったのはなんと前教育長の諸見里明氏であった。教育庁の前トップが文書を送ったのである。前教育庁が文書を送ったということは安慶田副知事は教育庁の幹部の一部ではなく教育庁全体を相手にしなければならないことになる。教育庁全体を敵に回しては副知事に居たまま相手にしたら勝ち目がない。だから安慶田氏は辞任をしなければならなかった。翁長知事も辞任はやむを得ないと思っただろう。

 沖縄県の教育庁は沖教祖とがっちりと結束し保守政治が介入できない世界である。私は八重山教科書問題でそのことを痛切に感じた。
 八重山教科書問題というのは、石垣市、与那国町、竹富町で構成する共同採択地区協議会で選んだ育鵬社の中学公民の教科書に対して竹富町は「保守色が強いという理由で別の教科書を採択したことである。文科省は教科書無償措置法に違反するとして是正要求を出し、県教育庁に指導するように指示したが、教育庁は指示に従わず竹富町を擁護した。
その時の竹富町の教育長は共産党員であった。県の教育庁や竹富町の教育庁には政府も介入することができなかった。八重山の共同採択地区協議会の採択に従わない竹富町の違法行為を罰する法律はなく、竹富町は別の教科書を使った。竹富町の違法行為を合法にするために政府は教科書の採択を地区ではなく市町村単位にした。政府が竹富町と県教育庁のタッグに敗北したとも言えるのが八重山教科書問題であった。
 沖縄県は沖教祖が強い。教育庁は沖教祖と一体関係にある。それは共産党、社民党、社大党の配下にあると言えるだろう。

 諸見里明前教育長の文書が公開された。諸見里前教育長は最八重山教科書問題で竹富町の意向を容認した人物でもある。
 諸見里前教育長は文書を送付した理由を次のように述べている。
 
①知事、副知事の記者会見後、私の元に多くの電話が殺到しました、その中で、大先輩や友人たち及びマスコミ等から、「事実はどうなのか。事実と違うならばぜひ真実を表明してほしい」という強い意見に心が揺れたことです。
②「教育の中立性」だけは、絶対に確保すべきであるという私の強い信念からです。
③マスコミが独自取材を経てここまで報道していながら、前教育庁が真実を隠蔽して良いのかという、道義的責任を感じていることも強くあります。
④副知事の「絶対否定」に「これでいいのだろうか」と大きな違和感を覚えた。

 諸見里前教育長は安慶田副知事の「採用依頼・人事介入」はなかったと県教育庁の調査には答えている。ということは沖縄紙に安慶田副知事の口利きを告発したのは諸見里前教育長ではなく別の幹部だったということになる。沖縄紙に告発した幹部は複数人居るはずなのに告発したのは幹部ではなく、口利きを否定した諸見里前教育長が口利きの証言者として登場するのは矛盾している。諸見里氏は現在は証言者として登場すべきなのは沖縄紙に告発した幹部であるべきである。諸見里氏は現在昭和薬科大学付属中学高校の校長をしている。校長職に忙しく安慶田副知事の採用依頼・人事介入」を沖縄紙に告発する気は全然なかったはずである。騒ぎが大きくなり、関係者からの強い圧力に応じざるをえなくなったというのが事実だろう。
 諸見里前教育長は文書で「詳細について私の記憶と差異がある」とも述べている。それは沖縄紙に告発した者が諸見里氏ではなかったということを暗示している。
 諸見里前教育長は大先輩や友人たち及びマスコミから真実を表明してほしいいうと強い意見あったと述べている。ということは彼自身は真実を表明する気がなかったが、周囲の強い圧力でがあったために文書を作成したと考えるべきである。

 文書は採用試験についてと人事異動への介入について詳しく述べている。

「採用試験について」の書き出しは「2015年実施された一次採用試験の合格発表後、恐らく二次試験前の8月中旬頃・・」で始まっている。そして、採用依頼について具体的に述べている。
「安慶田副知事から副知事室に来るようにとの電話があり、部屋にはいったところ、副知事からメモ用紙を渡されました。それには、3名の受験番号、教科、氏名が記入されており、「よろしくお願い」「無理しなくていい」と言われました。
 持ち帰って、自室に戻った私は、しばらくして、幹部のAを呼んで、副知事からの採用依頼あったことについて協議し、『こんなことは絶対にできない』とお互いに同意を得ました。その後、幹部のBも呼んで協議し、同意できないことを確認しました。当然、学校人事課には、この件は、一切知らせておりません」
と述べている。文書では諸見里前教育長が直接安慶田副知事から依頼を受けたことを明らかにしている。とすれば沖縄紙に話したのは諸見里前教育長であるはずであるが、彼ではない。とすれば幹部AかBということになるが、そうすると諸見里前教育長の振りをしなくてはならない。新聞に掲載されて騒ぎが大きくなっても本人ではない幹部AとBは証人として表に出ることはできない。証人が表にでなければ安慶名副知事の「やっていない」の主張が認められ、騒ぎは納まっていただろう。幹部AとBが沖縄紙に未来発したというのは考えにくい。諸見里前教育長、幹部A、B以外の人物が告発した可能性が高い。その人物は諸見里氏に文書を書かせて証人として表に登場させることができる人物である。あるいは組織である。
 
人事異動の介入についても安慶田副知事から直接要求されたのは諸見里前教育長であった。安慶田副知事から最初に要求されたのは二年前である。
「2016年(2015年のことであるだろう)1月中旬頃、前副知事室に呼ばれ、教育庁幹部C(教育職)の移動先を指導統括監にするように副知事から指示されました」
しかし、諸見里前教育長は固辞した。数日後に再び呼ばれた。
「今度は県立総合教育センター所長に統括監級として移動するように指示されました」
この時の諸見里前教育長は一人で判断することができないで、幹部A、Bと相談をして移動させなかった。その後も副知事からの要請があったがすべて断っている。
 文書で分かったことは人事権は教育長にあって副知事にはないことである。だから教育長は副知事の要請を断った。教育長の権利は徹底して守られたということである。
 問題は人事について副知事は一切口出しはしてはいけないのか、それとも提案してもいいのかということである。安慶名副知事がしたことは人事への不当介入として考えればやってはいけないことになるが、提案としてみれば許容されるはずである。教育長が人事で悩み、副知事に相談することもあり得る。問題は最終決定は副知事ではなく教育長がやることである。人事について教育長と副知事が相談も提案も一切できないということがむしろ教育庁が閉鎖的になり、避けるべきである。

 安慶田副知事の指示は諸見里前教育長が退任する直前にもあった。
「2017年(2016年の間違いだろう)1月の中旬頃、前年度に名前の挙がった同小学校校長Dを同じく義務教育課長か、那覇教育事務所長に移動配置するように指示されたが、これも当時の人事配置の事情から固辞した」
4月からは安慶田副知事の指示を拒否し続けた諸見里前教育長に代わって平敷昭人氏(57)が教育長になった。諸見里前教育長が教育指導統括監や県立総合教育センター所長などを歴任した教育畑の人間であったが、平敷氏は県総務部長であり、教育畑の人間ではなかった。平敷教育長は翁長知事が起用したから安慶田副知事とも通じ合い、副知事の指示を受け入れることができる教育長であるだろう。教育庁の人事は安慶田副知事の思いのままである。平敷氏は教育長と教育委員長のポストを統合した新教育長として就任するから権力が強くなる。ということは安慶田副知事の教育庁への権力が強くなったことを意味する。
 教育庁職員と沖教祖の危機感があり、安慶名副知事を告発して辞任に追い込む目的で今回の安慶名副知事の採用試験介入、人事異動の介入について沖縄紙へたれこみをしたのだろう。

 しかし、安慶田副知事の悪い評判は翁長知事の人気にも影響する。オール沖縄が支持している翁長知事の人気が落ちるのはオール沖縄にとってまずいことである。安慶田副知事を告発して追い込むのをオール沖縄は避けるだろう。普通に考えれば安慶名副知事を告発して辞任させるのは考えられない。しかし、現実は安慶名副知事の不当な行為を沖縄紙に掲載させ、副知事を辞任させた。県民の翁長知事への支持が落ちたのは確実である。
 なぜ、翁長知事の支持率が落ちるようなことをやったのか。それには県教育庁の反発だけでなく、翁長知事を孤立させる目的のために共産党の安慶田副知事除去策謀でもあった。


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