孔子廟訴訟、那覇市が控訴へ テルさんは高裁でも必ず勝つ

ヒジャイ

2018年04月28日 15:14



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孔子廟訴訟、那覇市が控訴へ テルさんは高裁でも必ず勝つ
 那覇市は第一審で憲法違反だと判決された孔子廟裁判で福岡高裁那覇支部へ控訴することを27日の臨時議会本会議で決めた。
 公訴を議決した時に、自民党、維新、無所属の会の議員計10人は退席し、残り29人の全議員が控訴に賛成した。圧倒的多数の賛成で公訴が確定した。

 沖縄の議会では反対議員は退席するのが習慣になっている。退席するということは議員としての議決に参加しないことであり、議員の権利を放棄するということである。退席の習慣はなくしてほしいものである。

那覇市議会の政党議員の構成である。
ニライ9人
共産7人
自民7人
公明7人
維新2人
那覇の翼3人
無所属の会2人
無会派3人
 退席したのはしたのは自民7人、維新2人、無所属1人であり、それ以外のニライ、共産、公明などが賛成としたということである。名護市長選では自民党候補を支持した公明党が孔子廟裁判では共産党と一緒に控訴に賛成したのは注目するべきであろう。

控訴する那覇市側は「至聖廟は教養施設で宗教的施設ではない」と改めて主張する方針であるという。地裁が「一般公開されていない」と事実認定した啓聖祠(けいせいし)は市民や観光客に公開されていると主張するという。しかし、その主張は一審と同じ主張であるから高裁で那覇市の主張が認められることはあり得ない。
那覇市の主張を見ると、高裁でも那覇市が敗北するのは決定的であることを予感してしまう。地裁で判断した事項は新しい証拠を提示しない限り高裁でひっくり返るということはほとんどない。ところが那覇市は一審と同じ主張するようである。同じ主張に対しては高裁でも同じ判断をする。那覇市の主張は認められないということである。
那覇市にも新たな主張はあるようである。
一審判決で宗教的な儀式とした「釋奠祭禮(せきてんさいれい)」は琉球王府が公費で賄う国家的祭礼だったという歴史的な側面を根拠にして宗教ではないと那覇市は主張する方針だという。
那覇市の新しい主張というのが「釋奠祭禮」が琉球王府の公費で賄っていた国家的祭礼だったから宗教ではないという理屈である。琉球王府が公費で賄っていたから宗教ではないと那覇市が考えているのならその考えは決定的に間違っている。琉球王府が公費で賄っていたから宗教ではないとは言えないのだ。
琉球王府は宗教国家であった。琉球王府のような封建時代は宗教と政治は一体であった。琉球王府の祭事の多くは宗教と密接に関係していたのだ。だから琉球王府が公費を出費したからといって宗教ではないという根拠にはならない。むしろ、逆に宗教であるという根拠になってしまうのだ。
政教一体であった封建時代の国家と政教分離の戦後の議会制民主主義国家との本質的な違いを理解していないのが那覇市側である。
控訴に賛成した29人の議員は封建時代の琉球王府の士族の亡霊ではないだろうかと苦笑するしかない。

戦前は天皇主権であり天皇崇拝の日本であった。宗教と政治が一体であった。ほとんどの神社は国有地か市町村有地にあった。しかし、戦後に制定された日本国憲法は政治と宗教を分離した。だから、神道は宗教と見做され、神社を国有地に建てることを禁じた。
政府は神社が憲法違反にならないために日本国憲法の施行前日に神社・仏閣が鎮座する国有地や市町村有地は無償譲渡等をした。
だから、神社が政教分離で訴えられる裁判はなかったが、北海道の砂川市は無償譲渡をしなかった。砂川市は日本国憲法施行前の処置を怠ったのである。
そのために2004年に政教分離の憲法違反をしているとの訴訟があり、憲法裁判が北海道で起こった。孔子廟裁判と似た裁判が砂川市の神社の問題で起こったのある。

砂川市の場合は神道の二つの神社に土地を無償で提供していることだった。2010年に富平神社は合憲、空知太神社は違憲判断が下された。

富平神社裁判
 神社が鎮座する市有地を神社を管理する町内会に市が無償譲渡した。
 一審(札幌地裁)・二審(札幌高裁)ともに合憲と判断された。

最高裁は、市有地内に神社が鎮座する違憲状態の解消の為の行為であるので裁判官の全員一致で合憲と判断し、判決が確定した。

空知太神社裁判
市が町内会に対し、市有地を無償貸与していたが、敷地内は鳥居が建てられ、また、町内館会館内部に祠が建てられた。
一審・二審共に違憲と判断し、鳥居等の撤去を命じた。

最高裁は小学校の敷地拡張に協力した住民への感謝の意、そして公共的な意味合いで始まったものとしても、市が特定の宗教団体に便宜を図っていると一般人の目線から見て判断されてもやむを得ないものであり、前述の過去と勘案しても、日本国憲法の定める政教分離の原則に反しており違憲であると判示した。
  最高裁は一審・二審と同じように違憲と判断したのである。金城テルさんの訴訟は空知太神社と同じケースである。高裁と最高裁が孔子廟は憲法違反と判じるのは確実である。
 
 最高裁は空知太神社を一審二審と同じように神社への無償貸与は憲法違反と判じたが、撤去を命じなかった。
 最高裁は鳥居等の撤去は氏子たちの信教の自由を侵害する行為であるとして、日本国憲法施行前日に神社・仏閣が鎮座する国有地が無償譲渡等された例を挙げ、撤去以外の方法での違憲状態の解消を求めた。そして、原判決を破棄して札幌高裁へ差し戻した。

違憲判決の後、空知太神社の施設を1箇所に集約し、その敷地を砂川市から適正な賃料を払って賃貸するように変更された。その措置が合憲であるかについても最高裁まで争われたが、合憲とされた

 富平神社裁判、空知太神社を参考にすれば孔子廟裁判は高裁、最高裁でも違憲の判決が下されるのは確実である。
 金城テルさんが主張しているのは孔子廟に無償で那覇市の土地を貸与しているのは政教分離に反するから那覇市は賃貸料を徴収しろというものである。孔子廟を撤去しろとは要求していない。賃貸を払えと要求している。富平神社裁判では最高裁が撤去しないで別の方法で違憲状態を解決しろと高裁に差し戻している。孔子廟裁判でも最高裁がそのように判断する恐れがある。完全勝利するために撤去を要求することを避けたのである。テルさんが高裁、最高裁でも完全勝利するのを目指した裁判であり、テルさんが完全勝利するのは確実である。テルさんが勝利すれば那覇市は久米崇聖会に今までの賃貸料を請求しなければならないが、それが裁判の目的ではない。裁判の最大の目的は賃貸を払わせるかどうかではなく、孔子廟が憲法違反であることを裁判で判決させるのが目的であるのだ。

那覇市は憲法違反ではないと主張し、金城テルさんは憲法違反であると主張している。一審では憲法違反であると判決が下った。那覇市が憲法違反をしていると高裁、最高裁が判決を下すのは確実である。テルさんが完全勝利するのは間違いない。

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